仕事を辞めて、世界を一周することにした

30歳女。思いつきで5年半勤めた会社を退職して海外を旅する話。

批判を乗り越えて【サグラダファミリア】

反対側に来ました、『受難のファサード』。お初にお目にかかります。f:id:isaqua:20190707174525j:image

大きくてiPhoneじゃ写りきらない。見えてないけど左下からS字の順番で、最後の晩餐からイエス磔刑、埋葬までの彼の受難を表現しています。

生誕のファサードに比べ、「生と死」の対照的なシーンとはいえ、あまりの違いに見た瞬間ショックを受けた。ガウディといえば、なめらかな曲線が特徴なのに、かなりエッジの効いたデザイン。そしてこのシンプルさ。受難の厳しさが伝わってくる。

こちらを手掛けたのが、スビラックスというカタルーニャの彫刻家。彼はガウディの弟子ですが、この作品はガウディの原案を大きく変更しているのだそう。あまりのシンプルさに「教会にふさわしくない」との意見もあるんだとか。生誕のファサードの彫刻を手掛けた外尾氏も反対したうちのひとりで、賛否両論。しかし、大批判を浴びたスビラックスが言った言葉は「批判は過ぎていき、作品は残る」。変更の根拠がどうあれ彼の強い信念が窺えます。
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骨をイメージしてます。そう言われると肋骨のようにも見える。外側に張り出した支柱はガウディの原案通り。

ちなみに、上〜のほうに金色のちょこんと座ってるのは昇天したイエス。受難の中にも希望はある。
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彫刻群の中にちょっと変わった魔方陣がある。
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クリプトグラムといって、縦横斜めどこを足しても33になっていて、これはイエスの処刑された年齢なのだそう。
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最初の写真に写りきらなかった受難の最初のシーン「最後の晩餐」。イエスが裏切り者がいることを告げるシーンなんだけど、ガウディのオマージュとして、この中のひとりがガウディの顔になっているのだとか。特徴もなくてどれだかわからない。

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地下博物館にあったガウディ。ん〜、やっぱわからんわ。

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とてもシンプルな門。殺伐とした雰囲気は伝わってくる。ガウディは教会を「貧しい人々のためのものでなくてはならない」と考え、この教会自体を「読んで」もらえるようにつくりたかったのだそう。教会全体が石の聖書、これならたとえ聖書が読めなくても「読める」。
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こちらのサイドは出来上がってる。だけどなんか味気ない。新しく完成した部分は、時間短縮と製作費の都合で石ではなくコンクリートでつくっているのだそう。そのせいか。ガウディはすべて石でつくりたかったようですが…苦渋の決断だったろうと思います。

ただ、おかげで劣化も早く、すでに修復をしながらの作業で、建設途中で修復が必要な珍しい建築物となり、これは皮肉にもガウディが元々「つくり続けることに意味がある」とした意向通りになってしまっている現実。
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かつての足場ってどんな感じだったんだろうと思ったらこんな感じだったようです。コワス。

 

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そして正面の『栄光のファサード』の未完成具合!これ、ほんとにあと7年で終わらせちゃうの?